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子どもに自分で通学させられる?トヨタ「Kids Mobi」自動運転電気自動車が話題

朝の送迎は負担が大きい。トヨタJapan Mobility Show 2025で、保護者を大いに助ける未来志向のコンセプト提案「Kids Mobi」を披露した。これは大人の車を小型化したものではなく、ゼロから子ども専用に設計されたAI搭載の自動運転電気自動車だ。丸みを帯びた外観、まばたきするLEDヘッドライト、透明ドーム、カラフルなボディカラーなど、まるでアニメから飛び出してきた小さな移動カプセルのように見える。

AIが“副操縦者”の友だちに:会話しながら児童安全をケア

Kids Mobiは「モビリティ・フォー・オール」を掲げ、子どもにも自律的な移動の権利を提供することを目指す。車内で子どもを迎えるのはハンドルではなく、会話できるAI相棒「UX Friend」。乗車するとドアが自動で閉まり、UX Friendが伴走モードを起動。ナビをしながら会話し、音声と各種センサーで子どもの気分を把握する。緊張していれば落ち着かせ、退屈ならゲームで気分転換。従来の無機質な車内テクノロジー像を更新し、児童安全と情緒ケアを同時に高める発想だ。

子どもモビリティの新時代:送迎やスクールバスの代替になり得るか

コンセプトの要は“かわいさ”ではなく、子どもの日常移動の再設計にある。ふわふわのシートと包み込むようなキャビン、複数のセンサーとカメラで走行環境を常時監視し、EV構造で騒音や振動を抑制。安心でなじみやすい乗り心地を作り込む。将来的には「親の送り迎えを待たず、子どもがAIの小型車で通学する」文化が生まれるのか。子どもの移動はより自立的でフレンドリー、そしてテクノロジーと親和したものに進化し得るのか――その可能性を提示している。

実装の関門:法規制と保護者の信頼というハードル

展示会で大きな注目を集めた一方、実際の公道走行までには課題が多い。児童の乗車に関する規定、自動運転の合法性、道路試験、保護者の信頼、事故時の責任所在など、いまだグレーな領域が残る。子どもが単独でEVに乗るモデルは多くの国で前例がなく、教育や道路管理、技術検証の同時進行が不可欠だ。とはいえ、コンセプト段階でありながら、トヨタの子ども向け自動運転電気自動車は、私たちの暮らしの将来像に新たな想像力を喚起したことは確かだ。持続的な実証と法規制整備、社会的合意形成がカギになる。

出典:DesignboomToyotaJapan Mobility Show 2025

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