『鳥居』シリーズ：禅とミニマリズムの融合

ドイツの写真家ロニー・ベーナートは、2019年に日本を訪れ、
神社 や 鳥居 をテーマにした写真シリーズ『鳥居（Torii）』を制作しました。
彼は減光フィルターを使用して 長時間露光（最大5分）を行い、
空や水中のあらゆる不要な要素を排除することで、シンプルかつ神秘的な写真を完成させました。
この作品で、彼は2020年の Sony世界写真賞 を受賞しています。

色彩への挑戦と日本文化の影響

ベーナートは2007年から写真家として活動しており、それ以前はモノクロ写真を主に制作していました。
しかし、日本を訪れたことで、彼の作品は 日本文化 の強い影響を受け、
色彩を活用したコントラストの技術を取り入れるようになりました。
日本では 神道 と 仏教 の要素が随所に見られ、
彼はわざわざ太平洋沿岸から山奥や深い森に至るまで、最も辺境の地に足を運び、
神社や鳥居をカメラに収めました。

杉本博司の海景写真に通じる静寂

ベーナートの写真手法は、日本の写真家 杉本博司 の海景写真を彷彿とさせます。
極めてシンプルな構図と映像表現は、静けさと平穏を伝え、
変化の激しい現代社会において、宗教の不変性と心の安定を象徴しています。

鳥居が導く心の通路

鳥居は神の領域と人間の住む俗世を繋ぐ通路とされています。
ベーナートの写真を通じて、私たちもまた、心の平静へと至る道を見つけられるかもしれません。